路地のあるいえ
完全に分けない2世帯住宅の計画です。敷地は歪で路地状部分がかなり長く個性的な形状をしています。隣地にはご親族の方が住まわれており、将来的な増築案もありました。
ここで「路地」を「家族間の公共性を保つ空間」と定義します。道路からのアプローチ(路地)を家の中まで連続させることで公共的感覚を憶えつつ家の中へ入ります。そして家の中に存在する路地には、見えそうではっきり見えない場所を存在させます。そのような環境下において各々個人の関係性、世帯間の関係性をゆるくつないでいくことはできないかという提案です。
可能性としてある増築に対応する場合「路地」を隣地に延長することで3世帯の関係性もゆるく繋げられるのではないかと考えます。
場 所:神奈川県逗子市 敷地面積:219.34㎡(66.35坪) 延床面積:146.30㎡(44.25坪) 家族構成:ご夫婦(50代・40代)、子供(9歳、4歳)、ご両親(70代)+猫2匹
1階
敷地入り口の細長い路地がそのまま家の中に続いていきます。その路地にはちょっとした溜り場や街路樹、ベンチもあります。その路地を介して各部屋に行くことになり、猫のいるおばあちゃんち(12)の向かい側におじいちゃんち(10)がある、そんなイメージです。
1階のプライバシーエリアに基本的な水回りとご両親の部屋があり、パブリックエリア(路地)にはベンチや植栽、スタディーコーナーがあります。路地では各々が好きな場所で過ごすことができます。
2階
2階は子世帯エリアです。路地の上部は吹抜けになっていて1階の雰囲気が伝わるようにしています。
玄関(01)・路地
奥まで路地が続いていきます。同じ空間にいるのになんだかよく見えない、そんな距離感のある空間となっています。
ダイニング(04)・小上がりリビング(05)
小上がりリビングは畳敷でそのまま腰掛けることもできます。下部は大容量の収納にしています。
路地2(15)
ひとり静かに籠ることのできる北側路地の突当たりです。点線部分は実際には壁であるため隠れられるようになっています。
路地1(11)
書庫のある西側路地の突当たりです。上部は吹抜けになっていて猫さんたちは壁に設けたステップで2階へ移動できます。
2階リビング(01)
2階は基本的に子世帯エリアとなります。リビングにスタディースペースを併設しています。路地上部の吹抜けにより、1階の雰囲気が伝わってきます。
2階 子供室2(05)
2階リビングと子供室の間の壁は天井までふさがず、高さを抑えています。そうすることで内部の様子が外に伝わるようにしています。
2階 洗面(03)
子供室となりのスタディースペースと洗面スペースです。洗面は混雑を避け2階にも設置しています。