土地選びの参考に「仕事場のある旗竿敷地の小さないえ」

この記事では、土地を選ぶ際にどんな家が建てられるのか参考にしていただけるよう
ラフプランを基に解説をしていきます。
今回は土地の面積約89㎡(27坪)の旗竿敷地です。
旗竿敷地の「竿」部分は実質通路(アプローチ)になり、建物を建てられる「旗」部分の面積は62㎡(18坪)程度、、、。

今回の「仕事場のある旗竿敷地の小さないえ」は
各々が個人事業を営む、夫婦の為の自宅兼事務所計画です。

玄関土間より螺旋階段・吹抜けを見る

家族構成:50代夫婦(夫/自営業 妻/自営業) +猫(茶トラ)

[面積]
敷地面積   89.86㎡(27.18坪)
1階床面積  37.26㎡(11.27坪)
2階床面積  32.29㎡( 9.76坪)
延べ床面積  69.55㎡(21.03坪)

<1階>
アプローチの小道は玄関前の庭へと続いていきます。
中へ入ると、玄関・打合室・階段室・縁側を兼ねた土間空間が広がっています。
夫婦各々のワークスペースと打合室が必須条件の中で「打合室」を共有とすることで
面積を節約でき、また視線を庭に抜き開放的な土間空間にしています。
螺旋階段と吹抜け、波打つ小上がりは空間に躍動感を与えています。


水回り以外をすべて開放された空間としていますが
ワークスペースと打合室との間にある引き戸が、来客時等に応じて閉じられるようになっています。
年に何回も使用しないという浴槽は面積節約の為、シャワールームにしています。
その分浮いた面積をランドリールーム(ファミリークローゼット)、SICの収納へ割り当てています。

玄関土間より、ワークスペースを見る

<2階>
2階は寝室・リビング・ダイニングのプライベート空間です。
寝室は北西の落ち着く場所に配置しクローゼットの他、ハンガーラックコーナーも設けています。
お洒落好きな方であればシャツをカラー別に掛けたりと、見せる収納テクのインテリアを楽しめます。

ところで小さな家の場合、各室の面積を抑えることになりますが、収納までも面積を削ってしまうと
行き場所がなった物で散らかり、却って狭い家になり兼ねません。
この家では1階のランドリー兼ファミリークローゼットに大容量の収納を設けています。


階段ホールと兼ねたダイニングは、吹抜けを通して庭へと視線が抜けるので圧迫感を感じさせないようになっています。
屋根を斜線規制により片流れとしているので、天井も勾配天井としていて
ダイニング側を高く、リビング側は低くしています。
TV台のある壁の上部を抜くことで、リビング・ダイニング・吹抜が一体的につながり
開放的な空間にしています。

ダイニングより吹抜けを見る

「仕事場のある旗竿敷地の小さないえ」いかがでしたでしょうか。
今回のように小さな家を計画する際は、兼ねられる用途を洗い出し動線と共に
デザインしていくことが設計の肝になります。

また小さな土地の場合、道路側ギリギリに寄せて建物を配置することが多く
道路側に玄関扉を開く形式にせざるを得ないことがよくあります。
すぐに家に入れる、という観点からすると利便性はgoodですが、、、

街が暗くなり仕事を終え、家路につくシーンを想像してみてください。
今日も一日頑張った自分を労いながら家に着きます。
小道(アプローチ)の足元には小さな明かりが灯り、奥に進むにつれて家の明かりが見えた時
「帰ってきた」という安心感。
なんか癒されませんか。
小道(アプローチ)は気持ちの切り替えに使える有効な場所です。
四季を感じられる植栽とすれば、金木犀(天然アロマ)の香りに癒されたりも。。。

このように「竿」の部分を建物が建てられない無駄な土地と捉えるのではなく
プラス要素として活用できれば「旗竿敷地」はこの上なく贅沢な土地とも考えることができます。

プランで迷ったり何かお困りの方、ぜひ一度ご相談ください!
弊所ならではのご提案をさせていただきます。