荻外荘展示棟

2025.07.16 荻外荘展示棟がオープンしました。
建築家・隈研吾によるカフェ・ショップ併設の展示施設です。

↓建築中の工事現場を散歩中にパシャリ。
コンクリート造の上に、鉄骨の屋根がかかっています。

工事中の展示棟

荻外荘(旧近衛文麿邸)の東側道路の向いに位置していますが
本敷地はかつて実業家・山田直矢の別荘が建っていた場所です。
この山田家については2階展示室にて紹介されており、当時の邸宅の資料、
大久保利通や志賀直哉、吉田茂、麻生太郎とも繋がる山田家の家系など知ることができます。

木の葉が空からふわっと舞い降りてきたような、、、みんな気になるこの屋根。
凹型の二次曲面が8枚合わさり、個性的なフォルムを生み出しています。
こんなにも個性的な屋根が住宅街に馴染んでいるから不思議です。

展示棟を南西道路より見る

庭の大きなケヤキはかつて山田家の園庭にあった樹木で、当時のまま残されているそう。
既存樹木を残すことで、荻外荘公園の屋敷林と相まってつながりを感じます。
それにしても絶妙なバランスで曲線を描く屋根ですが、
既存樹木の樹幹、枝ぶりを避けるための綿密な設計が必要であったことが覗えます。
(このケヤキとは、おそらく何度も打合せをされたことでしょう、、、、)

続いては2階の展示室です。
撮影NGでしたので写真は引用になりますが、2階は薄暗く屋根裏空間のようです。

2階展示室(荻窪三庭園より引用)

天井を見上げると、あの特徴的な屋根の正体を知ることができます。
窓際の天井高さはまちまちで、低いところではH2.1m程度⁉︎でかなり低いことがわかりました。
街並みに違和感なく馴染んでいるのは、軒の高さを抑えコンパクトなボリュームにしている為と推測します。

ここで1階のカフェにて一息入れます。
狙うは目の前に、あのケヤキのある席。

このケヤキの存在によって、この設計計画が決められたと思うと感無量です。
床から庭に続くフラットな感覚は、庭とのつながりを感じさせます。
そして何より、家の中で安心して落ち着けるような雰囲気に心が和みました。

ところで、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この建物の屋根には雨樋がありません。
デザイン性を重視して付けていないと考えられますが、、、では雨水は何処へ?
正解はこの砂利(雨落ち)へ。
ただし、一部雨樋が付いているところ(人が通る箇所)がありますので、ぜひ現地で観察してみてください!

カフェでは杉並区ゆかりのお菓子やランチを堪能できます。
展示棟は入場無料、カフェの利用のみでも可能ですので、街歩きのほっと一息にもお勧めです。

常設展の他「近衛文麿さん」の暮らしに焦点を当てた「特別展」が期間限定(会期2025.07.16~11.03)で開催中。
荻外荘と共にこちらの観覧もお勧めです。

そしてアクセス方法ですが、荻窪駅西口から運行しているグリスロ(グリーンスローモビリティ)に乗ってみてください!
運賃はキャッシュレス対応でピッとかざして100円です。
カート型の方に乗ればゴーカート気分を味わえ、道中も楽しめますのでお勧めです。ぜひお試しを!

カート型