土地選びの参考に「西側道路のいえ」

 この記事では土地を選ぶ際、道路の位置によってどんな家が建てられるのかを参考にしていただけるよう
住宅密集地でのプランを基に解説をしています。

今回は道路が西側にある2階建て住宅のご紹介です。
前回の記事「土地選びの参考に」シリーズ「住宅設計のセオリー」に基き計画をしています。
↓合わせてご一読いただけますと幸いです。

土地の特性
周囲を観察し視線が気になる側は「閉じる」。
隣地の空き地や建物のない方向を「開放する」ということを意識しプランニングしていきます。

西側の道路は狭く通行人の視線が気になるので「閉じる」。
北・東・南側は隣地建物が迫ってきているので「閉じる」。
開放できるところがありません。。。

こういった場合は、一旦すべてを閉じ内部に開放できる部分(余白)をつくります。

採光の確保
南、東側隣地建物との距離が取れないので、1階がほとんど影になると予測されます。
西側には日差しを遮る建物が無いからと言って、西側メインの採光計画をすると
夏場、冷房の効かないエコとは程遠い家となってしまいます。
というわけで今回は2階リビングの設定とし、南と東からの健全な日差しを取り入れる計画にします。
西側道路の住宅密集地では、西日の取り扱い要注意です。

抜け
建物を凹凸形状にし庭(余白)をつくり視線を抜きます。
2階はもちろん、暗くなりがちな1階も明るく開放的になります。

<1階>
駐車スペースは、雨に濡れずに乗降できるビルトインタイプです。
玄関は土間収納からの出入りがしやすくし、帰宅時用またはトイレ用として手洗いを設けました。
ファミリークローゼットは、階段の近くに設けることで2階からの洗濯動線をスムーズにしました。
また玄関からすぐに入れるよう出入り口を2つ設けたので、帰宅時のコート掛けや鞄置き場としても利用できます。
多目的スペースは、緑に囲まれた癒しの空間です。将来的には子供室にもしていただけますが
書斎、スタディスペース等多目的にお使いいただけます。

2階リビングにすると1階が暗くなりがちですが、明るい日差しが入るようにしました。
玄関は出入りするだけの用途だけではなく、縁側としても機能するようにしています。
急な来客時のちょっとした立ち話、また日向ぼっこに最適です。

<2階>
パントリーは階段の傍に設け、買い物帰りの荷物をすぐにしまえるようにしました。
ユーティリティも1階ファミリークローゼットとの洗濯動線をスムーズにする為、階段近くに設け
直接バルコニーへ干せるようにしています。
キッチンからはスタディコーナー、リビング、ダイニングを見渡すことができるので
子供の様子を見ながら料理をすることができます。



2階にはバルコニーを2つ設け、一つは物干し用で道路から洗濯物が見えないようにしています。
もう一つは外リビングとしてのインナーバルコニーを設けました。
強い日差し、多少の雨の日でも快適に過ごせるよう屋根付きとしています。
隣地からの視線を遮るよう壁を立ち上げ、また植栽の目隠し効果によりプライバシーを気にせずお過ごし頂けます。

[面積]
敷地面積  128.30㎡(38.81坪)
1階床面積  51.34㎡(15.53坪)
2階床面積  49.68㎡(15.02坪)
延べ床面積 101.02㎡(30.55坪)

「西側道路のいえ」いかがでしたでしょうか。
敷地の面積が同じであっても、形状や方位によっても様々なプランが考えられます。
一概には言えないのですが、土地をお探しのご参考になれば幸いです。

土地に対する道路の位置によって、どのようなプランになるのか比較して頂く「土地探しの参考に」シリーズ。
敷地面積、土地の環境が同様の条件にてご提案させていただきました。
土地を探していて何かお困りごとがあれば、ぜひ一度ご相談ください。