この記事では、土地を選ぶ際道路の位置によってどんな家が建てられるのか参考にしていただけるよう
住宅密集地でのプランを基に解説をしています。
今回は道路が東側にある2階建て住宅のご紹介です。
前回の記事「土地選びの参考に」シリーズ「住宅設計のセオリー」に基き計画をしています。
↓合わせてご一読いただけますと幸いです。
土地の特性
周囲を観察し視線が気になる側は「閉じる」
隣地の空き地や建物のない方向を「開放する」ということを意識しプランニングしています。
東側の道路は狭く通行人の視線が気になるので「閉じる」
北・西・南側は隣地建物が迫ってきているので「閉じる」
開放できるところがありません。。。
こういった場合は建物の形状や配置によって敷地の中に「余白」をつくり出します。
その余白に向かって開放する為、外周部は植栽や目隠しによって閉じておきます。
採光の確保
南東エリアの「余白」を駐車スペースと、アプローチを兼ねた「庭」とし
日差しを取り入れます。
抜け
南東、北西の「余白」に向かって視線を抜きます。
メインのLDKは南側「庭」へ、裏方のユーティリティ等は北側「裏庭」へ開放します。
暗くて窮屈になりがちな裏方も開放的にすることで、家事のストレスを少しでも軽減できるようにしました。
<1階>
玄関からは、LDKへ入る動線と裏方へ入る2つの動線としました。
キッチンはシンクとダイニングが一体化したオープンキッチンです。
テーブルとの高さを揃える為、キッチンの床を1段下げており
バーカウンターのような感じになり、調理中はダイニングに座っている人との目線が近く会話もし易くなります。
ご夫婦でリモートワークまたは副業用として1、2階の2か所にワークスペースを設けました。
1階ワークスペースではミシン作業や急な来客時の一時収納等、多目的にお使いいただけます。
ユーティリティでは洗濯物の部屋干しが可能です。
洗濯→干す→畳む→しまう の一連の作業がスムーズになるよう
ファミリークローゼットを隣接させ動線をまとめています。
2階バルコニーで干す場合にも、洗濯動線をスムーズにする為ユーティリティ近くに階段を設けています。
オープンキッチンは複数人で調理場に立ち
みんなでわいわいとキッチンを囲みながら料理を楽しめます。
料理中、すぐそばで会話を楽しめるのでご友人とのランチの場にも最適。
出来立ての料理を直接テーブルに提供することが出来き、配膳や片付けもとても楽です。
このようなキッチンは見せるように片付けるのがコツです。
<2階>
どの部屋においても、自然を感じられるようにしました。
子供室については、初めは大きな一つの空間にし将来的に間仕切ることも可能です。
ワークスペースは仕事に集中できるよう、1、2階とも落ち着きのある北側の場所にしています。
主寝室は家を建てた数十年後、薄暗い物置のようになりがちです、、、
数十年後も居室として機能するよう、明るい日差しがきちんと入る寝室としました。
[面積]
敷地面積 128.30㎡(38.81坪)
1階床面積 62.93㎡(19.03坪)
2階床面積 44.71㎡(13.52坪)
延べ床面積 107.64㎡(32.56坪)
アプローチは、一日の始まりや終わりの気持ちを切替える大切な住空間の一つです。
木々に囲まれた小道を抜け家路につく、、、ほっとする瞬間です。
都心部の敷地面積に限りのある場合、アプローチを設けることすら難しいのが現状ですが
面積にゆとりがあれば、できるだけ長くしたいところです。
今回は「庭とアプローチを兼ねる」という手法を取りましたが、敷地面積を有効に使えることから
都心部での住宅設計においては大変効果的です。
「東側道路のいえ」いかがでしたでしょうか。
東側に道路がある場合、早朝の清々しい朝日が入ってくるのが特徴です。
今回のように玄関を東向きとし明るい玄関とすればお出かけの際には、よい一日のスタートが切れそうです。
敷地の面積が同じであっても、形状や方位によっても様々なプランが考えられます。
一概には言えないのですが、土地をお探しのご参考になれば幸いです。