練馬区立美術館で開催中の「平田晃久ー人間の波打ちぎわ」へ行ってきました。
平田氏は以前ブログでもご紹介した、ハラカド(神宮前交差点)のデザインをした建築家です。
本展示会の会場となっている美術館は貫井図書館との複合施設となっており
2028年、平田氏の設計により新たに生まれ変わります。
平田氏の建築に対する思想
<建築とは「からまりしろ」をつくることである>
「からまりしろ」とは「絡まる」「しろ(余地)」からなる平田氏によって生み出された言葉です。
平田氏の言葉を借りて説明すると
はっきりと形で作られる空間領域とは異なり
「ふわふわとした隙間の錯綜」つまりはあらゆる物質の傍らとも言える領域の重なりを指します。
本展示では「からまりしろ」の概念に「響き」が絡まったような「波打ちぎわ」という新しい言葉が加わり
それを軸に3つの構成で展開されます。
受付にてチケットを購入していると、、、ピアノの音が聞こえます。
この無作為に流れるピアノの音を鑑賞中ずっと感じることになります。
エントランスホールに入ってすぐの吹抜け空間に古いピアノがあり
上部から黄色いカーテンのようなネットが吊るされています。
足元には波が押し寄せる、波打ちぎわを彷彿とさせるインスタレーション。
その波打ち際には平田氏の言葉の断片が漂います。
おそらく新生美術館のスケッチ(思考の痕跡)
凄まじい、、、。
会場は3部構成で展開され 展示室1→展示室2→展示室3 の順に巡ります。
まずは黄色いカーテンを潜り階段を上がり展示室1へ。
展示室1 からまりしろー身体のからまりしろ
吊り下げられているのは、国連大学前パビリオン「GlobalBowl」(2021オリンピック)
展示室2へは吹抜けのある通路を通って展示室2へ向かいます。
展示室2 響きー意識の波打ちぎわ
新生美術館・図書館のスタディが展示されているコーナー。
コンセプトは「21世紀の富士塚/アートの雲/本の山」
練馬区に古くから存在する「富士塚」がテーマです。
展示室3へは吹抜けの階段を下りて向かいます。
展示室3 響きの響きー時空の波打ちぎわ
黄色カーテ♪ン ➡ 展示♪室1 ➡ 黄色♪カーテン ➡ 展♪示室2 ➡ 黄色♪カーテン ➡ 展示♪室3 ➡ 黄♪色カーテ♪ン
視覚により意識せざるを得ない黄色いカーテンや
聴覚により意識せざるを得ないピアノの音、それらとの絡み合いを感じつつ作品を鑑賞することになります。
建築家・平田晃久氏の建築世界。ぜひ訪れてみてください。(2024.09.23まで)
美術館の周りをぐるりと一周し観察をしてきました。どのような変化が起こるのか2028年の新生美術館が楽しみです。