この記事では土地を選ぶ際、道路の位置によってどんな家が建てられるのかを参考にしていただけるよう
住宅密集地でのプランを基に解説をしています。
今回は道路が南側にある2階建て住宅のご紹介です。
前回の記事「土地選びの参考に」シリーズ「住宅設計のセオリー」に基き計画をしています。
↓合わせてご一読いただけますと幸いです。
土地の特性
周囲を観察し視線が気になる側は「閉じる」。
隣地の空き地や建物のない方向を「開放する」ということを意識しプランニングしていきます。
南側の道路は狭く通行人の視線が気になるので「閉じる」。
北・東・西側は隣地建物が迫ってきているので「閉じる」。
開放できるところがありません。。。
こういった場合は、一旦すべてを閉じ内部に開放できる部分(余白)をつくります。
採光の確保
南側道路の最大のメリットは、日当たりです。
ただし、南側道路が故にプライバシーに関しては要配慮です。
目隠しは内部の見えない、かつ冬の日差しの入る高さに設定をします。
冬の日差しはたっぷり取入れ、夏の日差しは入ってこないよう庇や軒によりカットします。
抜け
南側は庭に向かって全面開放し視線を抜きます。
土間リビングは、一段下げることで室内空間の延長として庭を取り込むことができます。
また上部を吹抜けとすることで、開放感を感じられます。
<1階>
玄関からは直接土間リビングへ入る動線と
土間収納からキッチンへ入る裏動線に分けています。
裏動線は、そのままキッチンを中心とした回遊動線につなげ家事の効率化を図りました。
キッチンからはスタディコーナー、リビング、ダイニングを見渡すことができるので
子供の様子を見ながら料理をすることができます。
土間リビングは、上がり框に腰かければ日向ぼっこに最適です。
框の下は懐を深くすることで靴の収納スペースにもなっています。
土間には蓄熱効果があるので、冬は夜間までじんわりと暖かく
夏は日差しをカットすることで、ひんやりと涼しく快適に過ごすことができます。
<2階>
子供室は将来的に間仕切ることを想定し、最初は川の字寝ができる大きな空間としました。
スタディスペースは図書室のようになイメージです。
カウンターは洗濯を畳む作業台としても使えます。
ワークスペースは落着いて仕事に集中できるよう、階段脇の北側に設定しました。
[面積]
敷地面積 128.30㎡(38.81坪)
1階床面積 62.93㎡(19.03坪)
2階床面積 46.37㎡(14.02坪)
延べ床面積 109.30㎡(33.05坪)
南側道路の土地は、日当たりの良さから大変人気があります。
ただしプライバシーに配慮のない計画をすると、南側の窓が日中でもカーテンの閉まりっぱなし、、、になりかねません。
せっかくの良い土地なのにもったいない、、、。
今回は道路からの視線を遮るように木製の縦格子で目隠しをし、コートハウスのようなプライベート感のある中庭をつくりました。
中に入ると、外部からでは想像もつかないあなただけの異世界が広がります。。。
「南側道路のいえ」いかがでしたでしょうか。
敷地の面積が同じであっても、形状や方位によっても様々なプランが考えられます。
一概には言えないのですが、土地をお探しのご参考になれば幸いです。