自由学園明日館(みょうにちかん)


池袋駅と言えばジュンク堂。(私見です)
先日、本屋に行った帰りに「自由学園明日館」でお茶をしてみました。
場所は池袋駅のメトロポリタン口から歩いて5分のところにあります。駅から5分と思えない閑静な住宅街にひっそりと佇んでいます。
設計は巨匠建築家フランク・ロイド・ライトとそのチーフアシスタントであった遠藤新。

クライアントはジャーナリスト(婦人之友社の創業者)羽仁吉一・もと子夫妻です。
夫妻により1921(大正10)年に創立された女学校で、子ども自身に自発的意思を持たせる教育思想から「自由学園」と名付けられたそうです。
夫妻は校舎の建設を友人の遠藤新に相談したところ、当時帝国ホテルの設計で来日していたライトの紹介を受けます。夫妻の教育思想に深く共感したライトは設計を快諾。

建物をスケッチするとよくわかるのですが、屋根は水平ラインが強調されていて、重心を低く地面にどっしりと構えている感じ、、、
そう太古の昔に習ったあのプレーリースタイル(草原様式)です。

ライトらしい幾何学模様の窓。
ステンドグラスではなく、木製の窓枠や桟を使用しているのは工費を抑えるため。
他にも帝国ホテルで使う大谷石の切り落としを使ったりしたそうです。

遠藤新設計の椅子

玄関ですが高さをかなり抑えています。
この私(身長H1500mm)でさえ「低っ」と感じました。

この柱にはきっと神が細部に宿っています。。
ココにこの柱があることで、屋根の骨組みをなんとなく想像をしてしまいます。。。
(あーなって、こーなってこの柱ということか~、、、)

ちなみに道路から見た第一印象で何か親近感のあるような、なつかしいいような感じがする、、、と思っていたのですが
後日調べたところ宇治の平等院鳳凰堂からヒントを得たとありました。
(Googleマップで航空写真を見てみてください。そっくりです!鳳凰堂の年の離れた弟!)


現在は重要文化財でありながら活用して保存する「動態保存」という形態をとっています。
見学はもちろん、結婚式やコンサート、講演会も開催されており
私が見学していた時も、手芸教室、英会話教室と様々なワークショップが開催されていました。

↓2階食堂です。
 照明はライトが空間を見上げて間延びしていると気づいて急遽創作したそうです。

↓道路を挟んで向かい側の敷地の講堂。(昭和2年竣工)
設計は遠藤新。

↓婦人の友社の建物。
社屋の設計は遠藤新の息子、遠藤楽。

色々と思いを馳せながらいただく珈琲は格別でした!
建築好きな方、ぜひ名建築でお茶でもいかがでしょうか。
ライトテイストがいっぱいですよ。